葉酸で神経管閉鎖障害の発症リスクが低減?

昨今、二分脊椎等の神経管閉鎖障害といった先天異常に関して、葉酸が発症リスクを低減することが分かっています。その為、欧米諸国においては、妊娠可能な女性等にビタミンBの一種の葉酸を意識的に摂取するよう勧められています。

それに対して、日本では二分脊椎の発症率がもともと低かったため、それに関しての調査等も行われていませんでした。それでも、日本と同様に発症率の低い中国南部についての研究や平成11年度以降に発表された国内での発症率の増加傾向を受けて、葉酸摂取の個人格差の是正が検討されるようになりました。平成12年には専門家による検討会が設置され、神経管閉鎖障害の発症リスク低減に関する報告書がまとめられました。

報告書によれば、神経管閉鎖障害の発症は、葉酸摂取のみによって予防されるものではなく、遺伝的要因を含めた多因子的見地から検討されるべきだとされています。それゆえ、既に当障害を持つ児童を出産した母親に関しては、葉酸の摂取の如何が問題となるわけではないと言えます。

それでも、妊娠を計画している女性に対しての啓蒙活動は重要で、適切な健康管理と栄養バランスが採れるよう周知していくことが求められています。よく言われているように、野菜の摂取を一日350グラムにすれば、必要量とされる葉酸を摂ることが出来て、米国等で基準となっている一日0.4ミリグラムに近づけるわけです。但し、葉酸の摂りすぎはビタミンB12欠乏の診断に影響を及ばすので、注意が必要です。

 

一定の神経管閉鎖障害の発症リスク低減効果は期待できる?

厚生省の見解では、葉酸摂取により一定の神経管閉鎖障害の発症リスク低減効果があるとして、保健医療関係機関を通じて情報提供を行うものとしました。

なお、2015年時点においては、当障害の発症リスク低減の有効性に関して、疫学的な根拠は確立されていないので、さらに葉酸に関する研究が必要であるとしています。摂取方法に関しては、報告書の通り、野菜の摂取量を一日350グラムを目標にすることで、必要量を満たす事を目標にしています。加えて、安易な栄養補助食品への依存については注意を促しています。

それでも、栄養食品そのものの効果については、実際に神経管閉鎖障害の発症が低減されている実績を認め、国内で販売されている栄養補助食品の可能性を説明していく事になっています。

主要国の葉酸摂取の基準量は、一日0.4~5ミリグラムとなっており、疫学研究においても妥当な量だとされています。研究によれば、葉酸の量を増やせば良いというものはないので、適性量を守ることが大切だとされます。そして、やはり食事に加えて栄養補助食品の摂取が諸外国でも勧められています。

 

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